まずはこちら、赤と黒のコントラストが美しい「恋鬼 〜身代わり花嫁の純愛〜」でございます。いや本当にきれいですよね。この表紙は今まで読んだBL小説の中で一番好きです。
さて、ご覧のとおり時代モノ。舞台は平安時代です。公式のあらすじを一部引用させていただきますと…。
『慈悲深い領主「花山院様」の庇護の代償は年に一人、娘を差し出すこと――。輝明は幼い妹の身代わりとなり、一回り以上も年上の花山院冬嗣のもとへ。』
うむ、スタンダードな嫁入りストーリーである。
『が、初めて見た冬嗣はまるで輝明と同年代のよう。』
ほう、ファンタジーかな?
『そして初夜、褥の中で硬直するその身を熱く抱き締めてきた冬嗣は「これで、我らは、夫婦だ」と呟くや否や、すやすや。』
え…?
そう、皆様衝撃を受けたでしょう。大体嫁入りと言ったら一日目で快感を刻み付けられて相手を憎みつつも離れられなくなるのがセオリー。
だがこの攻、即寝落ちである。
ちなみに主人公・輝明は可愛い顔して非童貞なので、大混乱する訳です。そして判明する、「冬嗣」の無知。そう、まさかの無知攻です。生まれて初めて見ました。冬嗣は賢く教養もあり、土地の事を第一に考える良い領主なんですが、夫婦の関係に関しては本当に何も知らない…。そんな世間知らずな冬嗣と、外見は美少女、中身はワイルドな輝明のすれ違い(?)夫婦生活は幕を開けます。
個人的には受の輝明もポイント高いです。こんな可愛い外見なのに弓の名手で、体調が悪くなったら「獣の肝が効く。」って言って鹿を狩って捌いたりします。すごい、強い。普通の受だったら薬草とか取ってくる展開なのに鹿の肝食べるんだ。今まで見た受の中で一番逞しくてワイルドだぞ輝明。
こんな風に基本やんちゃを通り越してワイルドな輝明が、冬嗣様の前だと乙女になるのがギャップで可愛いんですよね…。
あ、あとエロシーンも良いです。初めて性欲という物を自覚した冬嗣が輝明に導かれて行為を進めるんですが、どんどん初めての契りに興奮して暴走していく冬嗣に飲み込まれてしまう輝明がとてもエロいです。ちなみに輝明の筆おろし相手は村の年上のお姉さんなのでそのお姉さんを参考にしたと思うと大変いやらしいですね! やらしい! 大好きそういうの!
という訳で、頭はいいのに恋愛にも性的にも無知な攻×ワイルド非童貞男前乙女受に興味がある方は是非読んでみてください!